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サラリーマンがネットで見つけたネタに対する感想

かつて車の排気ガスは人を凶暴化していた

日本の殺人件数は戦後から下がり続けて、現在では人口当たりの殺人件数は世界でも最も低い水準になっています。

TVや新聞の報道などから殺人が増えていると思っている方も多いようですが、件数が減った分一つの事件が大きく取り上げられて、なんとなく凶悪犯罪が増えていると感じるのかもしれません。

下のグラフは殺人事件発生率の推移を示した国連のデータですが、日本では1955年から2011年の間に殺人件数は80%以上も減少しています。

殺人件数

国連 Global study on homicide:https://www.unodc.org/documents/data-and-analysis/statistics/GSH2013/2014_GLOBAL_HOMICIDE_BOOK_web.pdf

 

実は、時期は多少異なるものの世界各国である時期から殺人を含む凶悪犯罪が大幅に減少するという現象が起こっており、様々な分析がなされています。

有名な例は、90年代のアメリカ、ニューヨーク市でジュリアーニ市長が徹底的に軽犯罪を取り締まった根拠としている割れ窓理論(ブロークンウィンドウ理論)と呼ばれるもので、割れた窓が放置されているような小さな犯罪が放置されている場所では、少しずつ大きな犯罪が発生し始めて最後には凶悪犯罪が日常化してしまうため、落書きでもなんでも小さな犯罪を徹底的に取り締まることで治安を改善することができるとするものです。実際にジュリアーニ市長が就任してからニューヨークの犯罪は半減しており効果があったとする意見もありますが、90年代はアメリカの他の地域でも犯罪が激減しており要因は別にあるはずだという意見もあります。

 

 

鉛原因説とは

犯罪の減少を説明するもう一つの説として鉛(なまり)を原因とするものがあります。

鉛は幼少期に人間が摂取すると、中毒症状としてIQの低下やADHD(注意欠如多動性障害)、学習障害、異常行動などの有害な影響が見られることがわかっていますが、これが犯罪にも影響するのではないかという説です。

そもそも鉛と人間の接触は、古くはペンキに含まれていたり一部の水道管が鉛でできていたため水道水に鉛が溶け出したりといった経路がありましたが、最も大きな要因は自動車の排気ガスでした。ノッキングと呼ばれるエンジンの不完全燃焼を防ぐのに鉛が有用であることが発見されて一気に普及したのが有鉛ガソリンです。以前は、こうした有害な成分に対する法律による規制や車側の対策が十分ではなかったために有鉛ガソリンを使う車から排気ガスとして鉛が大気中に放出され、またそれが道路や周辺の地面などを汚染することで人体に鉛が取り込まれていたのです。今でもガソリンスタンドに行くと無鉛プレミアムガソリンという表記を見ますが、世界的に禁止されるまでは有鉛ガソリンというものもあったのです。

 排気ガス

 

 

 

さて元の仮説に戻ると主張は単純で、有鉛ガソリンの登場とともに凶悪犯罪は増加しており、有鉛ガソリンの禁止で凶悪犯罪は激減したというのです。

ただし、幼少期に有鉛ガソリンの影響を受けた子供が実際に犯罪を犯すのは大人になってからなので、両者には約20年の時間差があるというのがこの説の主張です。

次のグラフはNational centre for healthy housingという団体のコンサルタントRick Nevinという人がまとめたアメリカのデータです。

犯罪発生率アメリカ

Rick Nevin : https://www.ricknevin.com/home.html

 

子供の血中鉛濃度と凶悪犯罪の推移が23年のズレをもって一致しているのがわかります。

また同氏は、オーストラリア、カナダ、イギリス、フィンランド、フランス、イタリア、ニュージーランド、西ドイツで同じ傾向が確認できたとしています。

その後、別の大学の研究などでアメリカの各州の鉛濃度と犯罪の関係を調べると、鉛濃度が急激に増えれば犯罪も急激に増え、鉛がゆっくり減れば犯罪もゆっくり減るという関係性も確認されています。

 

意外な発見は、おそらく大都市で犯罪発生率が高かったのも鉛濃度が原因ではないかというものです。

大都市では、狭い面積にたくさんの車があるので大気中の鉛濃度も濃くなります。鉛が多いので犯罪率が高い。郊外は逆に鉛が少ないので犯罪率が低い。事実、有鉛ガソリンが廃止されて以降最近では大都市と郊外での犯罪発生率には大差がないということも、この考えを支持しています。

 

 

さて、国が違っても増減スピードが違っても犯罪発生率との関係性を維持する鉛。

もちろん、鉛がどういうメカニズムで人に犯罪を起こさせるのか示されていないという反論もあります。この説の真偽のほどは分かりませんが、当時の鉛は消えて無くなったわけではなく今でも幹線道路沿いや土壌に少量残っているのです。将来の凶悪犯罪の温床となるかもしれない環境破壊は、過去の話で済まされないかもしれません。

 

 

 

Reference;

BBC:http://www.bbc.com/news/magazine-27067615

Mother Jones:http://www.motherjones.com/environment/2016/02/lead-exposure-gasoline-crime-increase-children-health/

空飛ぶクルマに最も近づいた70年代ニューヨーク

SFの世界では当たり前の乗り物である空飛ぶクルマ。以前から人々は空飛ぶ車がいつか実現すると信じてきました。

そんな空飛ぶクルマに最も近づいたのはアメリカニューヨークにあったNew York Airwaysでしょう。

1953年にニューヨークにあるラガーディア空港とJFK空港の間をヘリコプターで移動できるシャトル便を開始したのが始まりです。料金は4ドル50セントでした。

ニューヨークエアウェイズ

ニューヨークエアウェイズのヘリコプター (Ken Fielding/http://www.flickr.com/photos/kenfielding)

 

1956年には、空港とマンハッタンにあるヘリポートを結ぶ便が開始され、朝の9時から夜19時半まで1日に33便が運行されていました。

そして、空飛ぶクルマに最も近づいたのが1965年開始、マンハッタンのアイコン的存在パンナムビル(現メットライフビル)の屋上にあるヘリポートとJFK空港を10分で結ぶ直航便です。1日に23便あり、乗客はJFK空港の出発40分前になるとパンナムビル側でフライトのチェックインが可能で、1977年にはJFK以外の空港行きの便も含めてパンナムビル発着便は1日48便もありました。年間の利用者は実に50万人にもなったといいます。

現在の日本でも街の中心と空港を結ぶシャトルバスは一般的ですが、1970年代のニューヨークでは、街のど真ん中にあるビルの屋上から空港まで直行できる空飛ぶ乗り物が手頃な値段で定期運行されていたというのですから驚きです。ニューヨークの空では空飛ぶエアポートシャトルバスが日常の光景だったわけです。

映画監督のリドリー・スコットも1982年公開のSF映画「ブレードランナー」のインスピレーションをここから得たと語っているほどです。

パンナムビル

パンナムビルの屋上 (gordon.bevan@xtra.co.nz at https://flickr.com/photos/130275500@N02/29976991683)

 

ところが現在ニューヨークの空を飛ぶエアポートシャトルは見られません。

1977年5月16日。パンナムビルの屋上で機体が横転し、破損したブレードによって外で便を待っていた乗客4人が死亡。さらにビルから落下したブレードで下の歩道を歩いていた通行人1人も死亡するという大事故が発生してしまったため、パンナムビル屋上のヘリポートは閉鎖され空飛ぶバスは姿を消しました。

 

 

 

ついに空飛ぶクルマが実現する

ニューヨークエアウェイズが空飛ぶエアポートシャトルの運行を終了してから40年以上が経過した現在、ついに空飛ぶ車が現実のものになろうとしています。

それは、eVTOLと呼ばれる乗り物です。eVTOLは、Electric Vertical Take-Off and Landingの頭文字で電気を動力源として垂直に離着陸可能な人が乗れるドローンのような乗り物です。まさに、SFの世界に出てくる空飛ぶ車そのものです。

今世界ではeVTOLの商用化計画が複数進行しています。

 

 

Uber elevate

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スマホ一つで目の前に車を手配できるライドシェアリングサービスで世界に衝撃を与えたUberは、2020年までにeVTOLのテスト飛行と2023年の商用サービス開始を計画しています。

現在世界の大都市では移動にかかる時間的コストが問題になっています。例えばサンフランシスコでは一人当たり年間230時間が通勤に費やされており、これはサンフランシスコ全体で毎日50万時間が浪費されていることを意味します。これを解決するのが狙いです。

eVTOLの機体は、ヘリコプターで有名なBell helicopter社、すでにアメリカ軍の研究プログラムでeVTOLを開発しているAurora Flight Sciences社、小型旅客機で有名なEmbraer社、ベンチャーのPipistrelとMooney社の計5社が契約しています。

今もっとも空飛ぶ車の実現に近い計画でしょう。

 

 

Lilium

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ドイツのベンチャー企業Liliumも、Uber同様にスマホなどを使ってオンデマンドでeVTOLを呼び出して目的地まで短時間で移動できる空飛ぶ車の商用サービス化を目指しています。

Liliumによれば5人乗りで最高時速300km/hに達する機体で、例えば現在タクシーで55分かかっているマンハッタンからJFK国際空港までを5分で移動できるとしています。

すでに自主開発のフルサイズ試作機で無人飛行実験を成功させており、その空を飛ぶ動きから、開発はかなり進んでいることが伺えます。2019年に有人テスト飛行、2025年の商用サービス開始を予定しています。

 

 

エアバス

大型旅客機の世界でボーイングと2強を形成するエアバスもCity airbusというeVTOLのコンセプトを発表しています。

 

デロリアン

映画「バックトゥーザフューチャー」で空飛ぶタイムマシンに改造された車デロリアン。創業者ジョン・デロリアン氏の甥にあたるポール・デロリアン氏はデロリアン エアロスペース社を立ち上げてeVTOLのコンセプトを発表しています。

デロリアンが空飛ぶ車を開発するとは、なんとも象徴的な出来事です。

 

Cartivator

日本からはトヨタも出資しているeVTOLの開発グループが、SkyDriveという機体を開発しています。

 

 

 

UberやLiliumの計画が予定通り進めば、SFの中の乗り物だった空飛ぶ車はリニア中央新幹線の開業よりも先に実現するのです。

なんとも夢のある話です。

 

 

Reference;

Bloomberg:https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-08-10/the-return-of-rooftop-helicopter-commuting-in-new-york-city

Uber:https://www.uber.com/info/elevate/

Lilium:https://lilium.com

 

 

なぜ中国とインドは人口が多いのか

人口が多い国といえば誰もが思い浮かべるのが中国とインドでしょう。事実この両国を合わせると人口は27億人にもなります。

他国と比べると、次に人口が多い20ヶ国をすべて合わせても26億人しかいませんし、残りの170ヶ国には20億人しかいません。圧倒的な人口の多さです。

ではなぜ中国とインドはそんなに人口が多いのでしょうか。理由が、「MinuteEarth」で分かりやすく説明されています。

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当初から人が多い

過去300年の人口の推移を見ると、中国は13億人、インドは12億人も人口が増えています。この人口の急増によって両国とその他の国々の人口には圧倒的な差が生まれていることが分かります。

しかし、実は人口の増加率という点でいうと中国やインドとその他の国にはそれほど大きな差は見られません。中国やインドには、数百年前の時点でその他の国々よりも少し多くの人々が住んでいました。同じ人口増加率でも数百年の時が経過することで、当初の差が21世紀の現在では圧倒的な差となってみえるのです。 

銀行の利子が同じでも、たくさんお金を預ければその分たくさん利息が返ってくるのと同じです。

 

多くの人が住んでいた理由

ではなぜインドと中国は人口爆発が起こる前からすでに人口が多かったのでしょうか。

これには諸説ありますが、最も大きな理由は二つあり食料と土地です。 

単純に畑を作れる土地が多くて水へのアクセスも良ければ、たくさんの食料を生産できますので、たくさんの人が住めます。今日でも、人口1位の中国は農地の面積が第4位、人口2位のインドが農地面積第2位、人口3位のアメリカが農地面積3位なのです。

有史以前からこの条件で最も恵まれていたのがアジアということになります。中国やインドは農耕に適した面積が多く水も豊富です。また、気候の面でも栽培できる食物が多様です。実際、現在世界の人々の主要な食料となっている、麦や米。動物では牛、豚、鶏などはすべてアジア発祥です。そもそも食用にできるものが身の回りにたくさんあった恵まれた土地だと言えます。食料が豊富だからたくさんの人が暮らせるというわけです。

ではアジアの中でなぜインドと中国かといえば面積です。隣国のパキスタンやバングラデシュも人口密度は高いですが、国の面積が小さいのでその分総人口も少なくなってしまいます。

 

ということで、どうしても中国とインドという国単位で、なぜあの国は人口が多いのかと考えてしまいますが、地球には単純に人口が多く住める場所とそうでない場所があり、たまたま多く住める場所の大部分の面積に中国とインドという国があるのです。

 

 

さて中国やインドの人口だけではなく、現在の世界はどうして今のような形になったのか、興味のある方にはカリフォルニア大学のジャレド・ダイアモンド教授による著書「銃・病原菌・鉄」をお勧めします。

ピュリッツァー賞受賞の本書が、なぜ人類はアフリカから世界に広がったのにも関わらず、ヨーロッパ人がアフリカを植民地にしたのか、なぜアフリカ人がヨーロッパを支配することにならなかったのか。といった疑問に科学的な説明を試みています。

 

 

 

 

 

テスラのバッテリー交換式EVはなぜ失敗したか

電気自動車の問題点としてしばしば指摘されるのが充電時間です。

例えば2017年にフルモデルチェンジした日産の電気自動車リーフの場合急速充電器を使って0から80%までの充電が40分となっています。

現実的に0%から充電を始めることはないと思いますが、多少充電が残っている状態から始めても2,30分はかかるでしょう。

ここで誰もが思いつくのが、バッテリーをその場で充電するのではなくて交換すればいいではないかというアイデア。交換なら充電よりも早そうですし、ひょっとしたらガソリンを入れるよりも早いかもしれません。

 

実はこのアイデアは、すでに数年前にテスラによって実証実験されています。

発表会では、テスラモデルSと同サイズの大型セダンであるアウディA8の二者で、バッテリー交換とガソリン給油のどちらが早いか実演してみせています。CEOのイーロン・マスク氏も得意げですが、結果はアウディが3分で給油をする間にテスラは2台バッテリー交換を済ませました。

電気自動車の充電時間問題、解決です。

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しかし、問題がありました。

誰も使わなかったのです。

実証実験が始まって最初に招待された200人の中でバッテリー交換を試したのはたったの4,5人だったとテスラの株主に報告されています。しかも全員1回のみ。誰も二度と使わなかったそうです。実際アンケートでも54%の人はバッテリー交換に「興味なし」と回答しています。

ここで忘れてはならないのは、当時招待された人は2013年の時点でテスラの電気自動車を所有していた人たちですから、マーケティングでいうアーリーアダプター、つまり新しいものは何でも試したい人たちです。その人たちが使わないのですから普及は絶望的でしょう。

 

この結果に対するマスク氏の分析は、80%まで40分で充電できるテスラの充電システム「スーパーチャージャー」はすでに十分早いので、ユーザーは困っていないというものです。

例えばサンフランシスコからロサンゼルスに朝の9時に出発したとして昼頃には休憩をしたいはずだし昼食も取るだろう。休憩の間に次の数百キロを走る分の充電が終わるからバッテリー交換をする理由はあまり見当たらない。と話しています。

スーパーチャージャー

 

 

この理屈は日本にも当てはまるでしょう。

東京と名古屋が道なりに走って350km。大阪と広島が330km。仙台と青森が360km。

フル充電で400km走れる電気自動車ならこの距離を直行することも可能ですが、どのルートも途中で休憩を入れるのが普通でしょう。そして、現在の急速充電器の性能でも休憩中に数百キロ分の充電が可能です。

 

ということで、テスラのバッテリー交換式EVはなぜ失敗したか。

答えは、充電すれば済むから。

 

電気自動車を所有していない人は、数分でフル充電できないと不便とか、一回の充電で500km以上走れないと困ると頭の中で想像していても、実際に電気自動車を所有している人たちは充電すれば済むと考えているようですね。

 

 

 

 

 

Reference;

 

 

ワイン好きの友人が勧めるワインはなぜ不味いのか

グーグルで「ワイン通」と入力して検索をかけると、候補として自動的に「ワイン通 うざい」が出てくるほど、一部のワイン通に対して嫌悪感を抱いている人たちは多いようです。

そして、あまりワインを飲まないワイン初心者からすると、そうしたワイン通の人が勧めてくる凝ったワインは飲んでも別にそれほどおいしくない。最悪の場合スーパーに売ってる安物のワインと何が違うのかわからない。といったことが起こります。

 

なぜこんなことが起こるのか。

この”ワイン通 問題”はどうやら世界共通のようで、海外で様々な検証実験が行われていることがわかりました。

 

 

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実験1 高いワインを飲む意味はあるのか

マジシャンから学者に転向した有名な心理学者リチャード・ワイズマン(Richard Wiseman)が行った次のような実験があります。

まず近所のスーパーで5ドルから50ドルまでの適当なワインを買ってきて、ワインの銘柄を伏せた状態で600人の被験者にテイスティングしてもらいます。被験者にはテイスティングした中でどれが高いワインだと思うかを回答してもらう、という単純な実験です。

実験後、銘柄が分からない状態でワインを飲んだこの600人の全回答を集計すると、全体の53%が実際に高いワインを当てていました。逆に言うと47%の人は外しているのです。これはだいたい半分の確率ですから、コインを投げて裏か表かで回答を決めるのと同じ確率です。言ってしまえば、人は値段が10倍違ってもどれが高いワインか分からないということです。

さらにヒドイことに、対象を赤ワインに限った場合には正解率はたったの39%にまで落ち込んだということです。

 

違いがわからないならなぜ高いワインを飲む必要があるのでしょう。

 

 

実験2 美味しくないものに高いお金を払う意味があるのか

全米ワイン経済学会(American association of wine economists)という団体が行った次のような実験があります。

実験の目的は、ワインの専門家によるアドバイスが一般消費者に対して有効かどうかを検証するというもの。こちらの実験では、被験者6175人に銘柄を伏せた状態でブラインドテイスティングをしてもらい、ワインに対して4段階で味を評価してもらいます。

結果を集計して平均化すると、ワイン専門家は値段の高いワインの方が美味しいと答え、一般の人は値段の高いワインの方が美味しくないと答えた、という集計結果となったのです。

この実験結果から、一般の人は高いワインを必ずしも美味しいとは思っていないことがわかります。

 

高いワインの方が美味しくないなら安い方がいいでしょう。

 

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実験3 赤とか白とか違いはあるのか

フランス、ボルドー第二大学の心理学博士フレデリック・ブロシェ(Frederic Brochet)が行った実験も見逃せません。

博士が行った二つの実験のうち一つ目は、54人のワイン専門家にワインのテイスティングをしてもらうというものですが、まず、何の種も仕掛けもなしに赤ワインと白ワインをテイスティングしてもらい味や香りを表現してもらいます。そして数日後、再び同じようにテイスティングを行いもう一度ワインの味や香りを表現してもらうのですが、今度は同じ白ワインの片方を食紅で赤くすることで、まるで赤と白の別々のワインが用意されているかのように見せかけます。

すると被験者は、先日と同じ表現を使って赤く染まった白ワインをまるで赤ワインを飲んでいるかのように認識したのです。この実験では、一人もそれが赤く染まった白ワインであることを見抜けませんでした。

 

肉には赤ワイン、魚には白ワインが合うとはなんだったのでしょう。

 

実験4 名前に騙されていないか

ブロシェ博士が行ったもう一つの実験は、同じワインを2つのボトルに分けて、片方にはそれが高級なワインであることを示す「グラン・クリュ」のマークが入ったラベルを貼ります。そして、2本のワインを飲み比べてもらうのです。すると先ほどの54人中なんと40人もがグラン・クリュのラベルがついたワインの方を褒めたのです。繰り返しますが、2本のボトルの中身は全く同じワインです。

 

もはやワインそのものではなくボトルが全てなのでしょうか。

 

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実験5 それでも味は違う

カリフォルニア工科大学脳科学の側面からワインに関する実験を行っています。

被験者たちに、5ドルから90ドルの5種類のワインを値段だけを伝えてテイスティングしてもらい、同時に被験者の脳波を測定するというものです。

しかし、この実験には実は一つ仕掛けがあって、5種類のワインが別々の値段を示されて次々出てくるのですが、実はワインは3種類しか用意されておらず実験を通して被験者は同じワインをどこかで2度飲むことになるのです。

ここまで読んできた方は、結果がなんとなく想像つくかもしれません。同じワインでも5ドルだと言われて出てきた場合と90ドルだと言われて出てきた場合では、被験者は90ドルのワイン方が美味しいと答えたのです。中身は5ドルのワインと同じだというのにです。

ではテイスティング中の脳波はどうだったのかというと、前頭皮質の一部が値段に強く反応しており、同じワインでも脳の反応は全く違うものだったのです。

 

結局、脳科学的にも証明されているように人間というのは期待した通りの味を感じるのです。中身が白ワインでも色が赤ければ脳は赤ワインの味を感じるのです。5ドルのワインでも90ドルだと言われれば、さらにボトルに「グラン・クリュ」のラベルが貼ってあれば、いくらでも美味しくなるのです。

 

 

では、ワイン好きは自分に酔っているだけなのかというとそんなことはありません。

ある安いワインと高いワインの比較ですが、安いワインはアメリカのオークの樽で6ヶ月寝かせるのに対して、高いワインはフランスのオークで1年。熟成も1年半に対して6年。広く流通しているブドウの品種を使うのに対して、特定の畑のブドウしか使わない。ボトル本体やコルクも全く質が違います。

高いワインには、ちゃんと高いなりの理由があるのです。

 

 

ワインに従うのか自分に従うのかという問題

最終的にこのワイン問題を解決するヒントは、スパイク・ジョーンズ監督の映画「her」に出てくる男女の会話シーンにありました。

 

男「フルーツは繊維が一番重要。だからフルーツから繊維を取り除いたジュースなんて飲む意味がない。」

女「好きなものを飲むのが一番健康にいい。ジュースが好きならそれを飲むのが一番。」

 

つまりジュースにしろワインにしろ、物事にはいつも二つの見方があってどちらも真実だということです。

ワイン通の人にとって、特定の畑で採れたブドウから作ったワインだけが持つ味わいは重要でしょう。一方、ワイン初心者にとって紙パックに入った500円のワインを美味しいと思うならそれがどんなブドウの品種から造られていようと問題ではないのです。

ワイン自体に価値を見出すか自分自身の感覚に価値を見出すのか、どちらが正解という話ではないということです。

 

 

結局、ワイン通もそうでない人も好きなお酒を一緒に飲んで楽しく過ごせればそれでいいのではないでしょうか。

 

 

 

Reference:

Wired:https://www.wired.com/2011/04/should-we-buy-expensive-wine/

Forbes:https://www.forbes.com/sites/katiebell/2012/07/09/is-there-really-a-taste-difference-between-cheap-and-expensive-wines/#2f4975363ae2

Winefolly:http://winefolly.com/tutorial/truth-cheap-vs-expensive-wine/

なぜ大学を中退すると成功するのか 生存者バイアスとは

先日、街中で大学中退を考えている学生の会話が聞こえてきて、大学中退の実態が少し気になったので調べてみると、2016年の文部科学省の調査では2.11%の学生が大学を中途退学するとありました。2017年の総務省の調査では、日本全国の大学生の数が286万人となっているので、ざっと6万人ほどは大学を中退するようです。

 

そこで思い出すのは、先の学生も話していましたが大学を中退して成功した人たちです。

一番有名なのは、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツでしょう。世界一の富豪がそもそも大学中退者なのですから、大学なんて出る必要性を感じないのも納得です。

他には、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグやアップルのスティーブ・ジョブズ。起業家以外では、「ターミネーター」「タイタニック」や「アバター」の監督ジェームズ・キャメロン。史上二人しかいない2年連続でアカデミー主演男優賞を受賞した俳優トム・ハンクスなどなど。様々な分野で世界の頂点に立っている人たちが大学を中退しているので、なおさら大学が無意味に思えます。

東京大学

 

 

しかし本当にそうでしょうか。

ここで気をつけたいのは、サバイバーシップ バイアス(Survivorship Bias)と呼ばれるものです。生存バイアスとか生存者バイアスとか様々な呼ばれ方がありますが、物事を見る時に常に意識しておきたい考え方です。

 

 

撃墜されない飛行機の条件

最も有名な例は、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の話です。アメリカ、イギリスを中心とする連合国側はドイツ軍の攻撃により航空機が相次いで撃墜されてしまい手を焼いていました。軍部は航空機の装甲を厚くして対処しようとしましたが、機体が重くなりすぎてしまうため機体全体の装甲を厚くすることはできません。

この問題を解決するため、ある組織に白羽の矢が立ちました。

第二次大戦中ニューヨークのハーバード大学横に置かれていたSRG(Statistical Reserch Group)と呼ばれる組織で、全米から研究者たちが集められて統計学の側面から戦争を戦っていました。のちにノーベル経済学賞を受賞するミルトン・フリードマンですら、この中では4番目に頭がいい男とされるほどの天才集団です。その中で、一番頭がいいと言われていたのがエイブラハム・ワルドという人物。ルーマニア出身のユダヤ人であるため、ナチスを逃れてアメリカに亡命した数学者でした。

 

軍部からの指示は、このまま航空機の装甲を増やさないと人命がどんどん失われるが、航空機が重くなりすぎて敵の格好の的になるのも困るから、適切な装甲を導き出せというものです。

爆撃機

 

軍は、戦場から帰還した航空機の分析を行っており敵の攻撃が被弾する場所には偏りがあることがわかっていました。

一番被弾が多いのは機体胴体部、次いで燃料システム、一番少ないのがエンジンです。胴体部は単位面積あたりでエンジンの1.5倍ほども弾丸を受けているというのです。

つまり、全体の装甲を増やせない以上、同じ面積の装甲で1.5倍も攻撃を防げる胴体部の装甲を増やすのが一番効率的という結論になります。

 

ところが、これが典型的な生存者バイアスの一例で、大間違いなのです。

反対にワルドの主張は、装甲が必要なのは被弾が最も少ないエンジン部だというものでした。

間違いは、戦場から帰還した機体のデータしか見なかったことにあります。無事帰還した航空機が攻撃を受けている箇所は、攻撃を受けても平気なのです。撃墜されて帰還できなかった航空機が被弾している箇所こそ補強が必要なのです。それは、帰還した機体が攻撃されていない箇所ということになります。なにしろ、そこを攻撃されれば帰還できないのですから。

まさに生存者だけを見て判断すると誤るという一例です。

 

 

猫は高いところから落ちた方が助かりやすい

もう一つの例は、ニューヨークでビルから転落した猫の怪我の分析結果という話です。

猫がビルから落ちて怪我をする場合、7階より上から転落した方が6階から転落するより軽症で済むというのです。7階より上になると猫が着地の準備をする時間ができるので結果的に軽症で済むという理由付けがされました。もっともらしい説明ですが、もちろんこれも生存者バイアスが原因です。そもそもニューヨークのタワーマンションの高層階から落ちた猫は助からないので、病院に運ばれることはなく初めからデータには現れません。生存者だけから判断してはいけないのです。

 

 

中退した成功者も生存者

さて、大学を中退した人が沢山いるように思える成功者たちも、もちろん生存者です。

ビル・ゲイツとは反対に、大学を中退して鳴かず飛ばずの人生を送った人が数え切れないほどいるのです。実際、様々な調査で最終学歴は生涯年収に大きな影響があることがわかっています。生存者だけでなく全員のデータを見れば明らかに大学は卒業したほうが収入が多いのです。

もちろん、収入が多いことや社会的に成功していることと幸せかどうかは別問題ではあるのですが。

 

 

 

さて、ビル・ゲイツはハーバード大学の卒業式でスピーチを頼まれ冗談交じりに以下のように言っています。

「卒業式のスピーチを頼まれてよかった。もし私が入学式のスピーチをしていたら、ほとんどの学生が大学を辞めていただろうね。」

 

日常に溢れる生存者バイアスには要注意です。

 

 
 
Reference;
 
 

ヒートアイランドに対する一つの答え ベルリンのスポンジシティ

近年は毎年のように異常気象が叫ばれ、日本では夏になると最高気温更新のニュースを頻繁に聴いている気がします。
自然が少なく、アスファルトやコンクリートなどの人工物が多い都市部に熱がこもるヒートアイランド現象という言葉もすっかり世間に浸透しました。
 
 
そんな都市部の気温上昇に対する解決策として、ドイツの首都ベルリンではその名もスポンジシティという都市設計コンセプトを取り入れているそうです。
Bloombergが解説しています。

youtu.be

 

そもそも都市には自然なものが少なく、人工的なものは熱を蓄えたり雨水をはじき返してしまいます。
スポンジシティの基本コンセプトは、雨水を都市の中に蓄えること。そしてその雨水が蒸発することで都市が冷やされるという仕組みです。
都市計画担当者は、雨水は資源であって捨てるものではないと主張しています。
 
もともと自然界を見てみれば、地上に降った雨は土や植物に蓄えられてその多くは地下水として地中深くには浸透せずに蒸発をします。そして蒸発する際に周辺が冷やされるのです。
反対に都市では、コンクリートが雨水を弾き、そのまま水は下水道に逃げていってしまいます。
スポンジシティのコンセプトは、まさに自然界の仕組みを真似して雨水を都市から逃さないようにするというものなのです。

スポンジシティ

 
 
 
ベルリン市内のルンメルスブルグはまさにスポンジシティの好例です。
建物の屋根には6-8cmの土と植物があり、降った雨水はそこから中庭へと流れ込みます。
また地上には80cmの土の層が用意されており雨水を蓄えられるようになっています。そこに植えられた植物が貯められた水を使い、その水が蒸発することで周辺を冷やします。夏には明らかに涼しいことが実感できるほどの自然のクーラーとして機能しているそうです。
そして驚くべきことに、この地区では雨水を流す下水管すら存在しないのだそうです。歩道に降った雨水は、そのまま脇のスペースにある土に流れ込み蓄えられるという徹底ぶりです。
 
 
もちろん、完璧ではありません。
ベルリンは記録的大雨が降った際に街が水浸しになり、今後開発される建物には洪水対策としての雨水用下水管設置が義務付けられました。しかし、スポンジシティのコンセプトは生きています。
ベルリンは地球温暖化による異常気象に対しても、力で対抗するのではなく自然と共存する街づくりを進めているのです。
 
  
 

キアヌ・リーブス不老不死説

以前「お金は優先順位の中で一番低いよ。今まで稼いだお金で数百年は暮らしていけるからね。」と語っていたキアヌ・リーブス
ところでこの”数百年暮らしていける”というのは単なる比喩表現ではなく本気である可能性が海外のファンの間で指摘されています。
 
そもそも我々の知っているキアヌは90年代に世界的に有名になってから、50歳代になった今まで見た目がほとんど変わっていません。これだけでも驚くべきことですが、なんと彼の数百年前の姿を描いた絵画や写真があるというのです。
 
 
下に紹介しましょう。
 
 
 
 
 
 
 

キアヌリーブス

 
その2

キアヌリーブス

By Rigi to Rigi (Own work) [CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
 
 
 
1500年代のキアヌ・リーブス

キアヌリーブス

 
 
 
どうやら噂は本当のようですね。キアヌが全く老けない理由がわかりました。
 
 
 
 

キアヌ・リーブスが「スピード2」に出演しなかった理由

日本のラーメン屋での目撃情報も多いハリウッドスターのキアヌ・リーブス。
アメリカのTV番組「Jimmy Kimmel Live」で彼がスピード2に出演しなかった理由を語っていました。

 

 

この日も日本から戻ってきたばかりだというキアヌ。日本によく行くという話から日本で人気のある彼の出演映画の話になり、話題は「スピード」へ。
「スピード」には続編があったのに君は出演しなかったね、と聞かれ、出演するはずだったんだけど断ったよ、と答えたキアヌ。
監督のヤン・デボンやサンドラ・ブロックと仕事をするのは大好きだけど、脚本を読んだらね。内容はクルーズ船の話で、”クルーズ船”と”スピード”について頭の中で考えたんだ。”バス”、”クルーズ船”、”スピード”、”バスはそれほどスピードが出ない”、”クルーズ船はもっとスピードが出ない”。
だから彼らは大好きだけど断ったんだ、と語っています。
 
 
言われてみれば、「スピード2」というタイトルなのに舞台が海をゆっくり進むクルーズ船なのは、企画段階でどこか外してますね。
実際映画はキアヌが出演した第1作には遠く及ばない興行成績だったようです。キアヌ・リーブスの直感は当たったようですね。

 

 

 

 

 

エコカーは本当に燃費がいいのか

車を買う際に燃費性能を気にして車種を選んでいる方は多いのではないでしょうか。旅行や帰省で遠出するとガソリン代もそれなりの金額になるので当然ですね。

また、いくらカタログ燃費が実際の燃費と違うとは分かっていても、やはりカタログ上で少しでも燃費のいい車の方がよく思えてしまうものです。

燃料ゲージ

 

しかしカタログで燃費のいい車は実際にお財布に優しいのでしょうか。

 

この疑問に対してイギリスBBCの人気自動車番組トップ・ギアがある実験をしています。

下の動画の前半は、1ガロンのガソリンでどのスーパーカーが一番長い距離を走れるかを検証。燃料代がかさんで困っている人にオススメするスーパーカーとしてアウディR8を選定しています。そもそもこんなスーパーカーを買える人間は燃料代に困らないだろうと思いますが、この番組らしいおバカ実験です。

 

そして続く後半の実験が見ものです。

カタログ燃費8.4km/lのスポーツカー BMW M3とカタログ燃費33km/lのハイブリッドカー トヨタ プリウスとでどちらの方が燃費がいいか、という実験です。

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カタログ上では約4倍近くも燃費に差がある両車ですが、実験の結果はなんとBMW M3が8.2km/lでほぼカタログ燃費通り。対するトヨタ プリウスが7.3km/lで、なんと4リッターV8エンジン搭載のBMW M3より燃費が悪いという結果になりました。

もちろんこの実験条件はプリウスが得意とするストップ&ゴーがないなどプリウス側に不利な条件ではあります。しかしポイントはそこではなく、カタログ上で約4倍も燃費に差があっても条件次第で実燃費が逆転する可能性すらあるということです。

 

 

番組内では、「何に乗るかじゃない、どう乗るかだ」と結論付けていますが、ひょっとすると街で見かける丁寧に燃費のいい走り方を実践しているスポーツカーは、雑な運転をしているハイブリッドカーよりもエコカーなのかもしれません。

スマホのカメラで心霊写真を撮る方法

下の写真、おかしな点があることにお気づきでしょうか。

料理をしている男の子は目を閉じているのに、テレビ画面に反射した男の子は目を開けているのです。

もちろん、デジタル加工ソフトで合成などの処理しているわけではありません。

心霊写真

Explain this photo / Boing Boing

 

実はこういった写真はデジタルカメラの仕組み上、普通に撮れることがあるのだそうです。

 

仕組みは、「SmarterEveryDay」で非常にわかりやすい動画が公開されています。  

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つまりスマホのカメラを含むデジタルカメラは、コンビニに置いてあるスキャナーのように、一方の端からもう一方の端に向かって少しずつ光を読み込んでいき全体の写真を完成させるため、途中で被写体が動くと最終的な画が歪んでしまうというわけです。

もちろん、デジカメのシャッターはコンビニのスキャナーのようにゆっくりではなく、超高速でスキャンするため通常は問題になりません。しかし、飛行機のプロペラやギターの弦などのようにシャッターよりもさらに高速で動くものにはついていけないわけですね。

スキャン

 

さて冒頭の写真ですが、もうお気付きの通りカメラが写真の左側をスキャンしている瞬間には男の子は目を閉じていて、その後、右側をスキャンした瞬間には男の子が目を開けていたため、テレビ画面に反射する男の子は目を開けて写っているわけです。

 

ということで、デジカメのこの特性を知っていれば、誰かの心霊写真を本物かどうか見抜いたり自分で心霊風写真を撮れてしまいますね。

 

 

ソニー平井社長の英語プレゼン

先日、2017年3月期の役員報酬ランキングというのが東京商工リサーチから発表されていました。その中で日本人最高の報酬約9.5億円となっていたのが、ソニー平井一夫社長だったようです。

ソフトバンク孫正義社長やユニクロ柳井正社長、楽天三木谷浩史社長のように自身で会社を作った人とは違って、平井社長は大学を出た後に新入社員としてソニーに入社して今に至るわけですから、サラリーマンの世界も行くところまで行くとメジャーリーガー並みの年俸になるということですね。

簡単な経歴ですが、1984年に東京の国際基督教大学卒業後、CBSソニー(現ソニーミュージック)に入社。その後、ソニーコンピュータエンタテインメントアメリカのCOO、CEOを歴任して、最終的にグループCEOに就任。2012年よりソニー本体のCEOとして活躍中ということで、意外にもソニー本体の出身ではないようです。

 

そんな平井社長ですが、残念ながら我々はソニーの社員ではないので、社長の普段の仕事ぶりを見ることができません。

それでもどうにかできないものかと調べてみると、ありました。

今年2017年1月にアメリカのラスベガスで開催されたコンシューマエレクトロニクスショー CES2017で、プレゼンを行う平井社長の様子が見られます。

場所はアメリカですから、当然全編にわたって英語のプレゼンです。

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素晴らしいプレゼンですね。

まず普通に英語が上手い。日本の大企業、特に製造業の社長でこれだけ英語を使える人はそうそういないです。

そしてなにより、大事な部分を二度言う、キーワードの前にタメを作る、手振りで強調する、など素人から見ても好印象なプレゼンです。ひょっとすると日本語でもこれだけ堂々たるプレゼンができる社長はあまりいないのではないでしょうか。

 

ということで、英語プレゼンが来週に迫っているというサラリーマンや学生の方が、イメトレ教材として見るにもよい内容だと思いました。

将棋にしたってゴルフにしたって、一流のものを見るのはいつだって勉強になりますが、一流の社長も同じですね。

 

 

他にも、いろいろなシチュエーションで英語を使う平井社長が見つかりましたので、合わせて紹介します。

 

アメリカのニュース番組でキャスターの質問に答える平井社長
 
大規模ハッキングされたソニーのネットワークサービスが復旧したことを発表する平井社長
 
ソーシャルメディアで集めた一般人からの質問に答える平井社長
 
採用活動でソニーの魅力を伝える平井社長
 
展示会会場でメディアのインタビューに答える平井社長
 
母校の国際基督教大学を紹介する平井社長

民主主義は最悪の仕組みである

 「 民主主義は最悪の仕組みである」とは、イギリスの元首相ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)の言葉だそうです。

チャーチル

チャーチル元首相

 

また、ストレートな発言で知られるイギリスのロックバンド元オアシスのノエル・ギャラガーも、イギリスのEU離脱国民投票の際に次のような発言をしています。

「99%の国民は頭が悪いんだ。投票で決めるべきじゃない。」

 

さらに古代ギリシャでも、民主主義の欠点は指摘されていたようです。

The School of Lifeに、「なぜソクラテスは民主主義を嫌ったか」という動画が公開されています。

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例えば大海に航海に出るとき、船長になるのは誰でもいいわけではなく航海士の訓練を受けた人物の方が良いに決まっています。つまり、船長を多数決で決めるとしたらどんな人が船長にふさわしいか分かっている人たちが決めないと悲惨な結果を招くのです。

では国を治める人物を選ぶ際に、一定の年齢になって自動的に選挙権を得た人たちは国を治めるのにどんな人物が良いか分かっているのでしょうか。仮に、医者とお菓子屋さんが立候補した選挙があったとして、食べ物も制限するし痛いこともするが病気を治す医者と、甘いものを好きなだけくれるが病気を治せないお菓子屋さんとで人々はどちらに投票するのでしょうか。

歴史は多くのお菓子屋さんを当選させ、ほんの少数の医者しか選びませんでした。

 

 

さて、民主主義は本当に最悪なのでしょうか。

冒頭で紹介したチャーチルの言葉には続きがあります。

「民主主義は最悪の仕組みである。ただし、今まで試された他のすべてを除いて。」 

イントロダクション

ブログを開設しました。

 

ところで開設するからにはブログとは何か、念のため調べてみた。

ブログだと思ってやっていたことが実はブログではなかったら悲しいからだ。

海外のブランドだと思っていたら、日本の会社だと分かると悲しいのと同じである。

 

ブログ - Wikipedia

 ブログ (blog) は、狭義にはWorld Wide Web上のウェブページURLとともに覚え書きや論評などを加えて記録[(ログ)しているウェブサイトの一種である。「WebをLogする」という意味でウェブログ (weblog) と名付けられ、それが略されてブログ(Blog)と呼ばれるようになった

  

ということで、基本に忠実に今後インターネット上で面白いと思ったものを感想と一緒に記録していきます。