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サラリーマンがネットで見つけたネタに対する感想

テスラのバッテリー交換式EVはなぜ失敗したか

電気自動車の問題点としてしばしば指摘されるのが充電時間です。

例えば2017年にフルモデルチェンジした日産の電気自動車リーフの場合急速充電器を使って0から80%までの充電が40分となっています。

現実的に0%から充電を始めることはないと思いますが、多少充電が残っている状態から始めても2,30分はかかるでしょう。

ここで誰もが思いつくのが、バッテリーをその場で充電するのではなくて交換すればいいではないかというアイデア。交換なら充電よりも早そうですし、ひょっとしたらガソリンを入れるよりも早いかもしれません。

 

実はこのアイデアは、すでに数年前にテスラによって実証実験されています。

発表会では、テスラモデルSと同サイズの大型セダンであるアウディA8の二者で、バッテリー交換とガソリン給油のどちらが早いか実演してみせています。CEOのイーロン・マスク氏も得意げですが、結果はアウディが3分で給油をする間にテスラは2台バッテリー交換を済ませました。

電気自動車の充電時間問題、解決です。

youtu.be

 

 

しかし、問題がありました。

誰も使わなかったのです。

実証実験が始まって最初に招待された200人の中でバッテリー交換を試したのはたったの4,5人だったとテスラの株主に報告されています。しかも全員1回のみ。誰も二度と使わなかったそうです。実際アンケートでも54%の人はバッテリー交換に「興味なし」と回答しています。

ここで忘れてはならないのは、当時招待された人は2013年の時点でテスラの電気自動車を所有していた人たちですから、マーケティングでいうアーリーアダプター、つまり新しいものは何でも試したい人たちです。その人たちが使わないのですから普及は絶望的でしょう。

 

この結果に対するマスク氏の分析は、80%まで40分で充電できるテスラの充電システム「スーパーチャージャー」はすでに十分早いので、ユーザーは困っていないというものです。

例えばサンフランシスコからロサンゼルスに朝の9時に出発したとして昼頃には休憩をしたいはずだし昼食も取るだろう。休憩の間に次の数百キロを走る分の充電が終わるからバッテリー交換をする理由はあまり見当たらない。と話しています。

スーパーチャージャー

 

 

この理屈は日本にも当てはまるでしょう。

東京と名古屋が道なりに走って350km。大阪と広島が330km。仙台と青森が360km。

フル充電で400km走れる電気自動車ならこの距離を直行することも可能ですが、どのルートも途中で休憩を入れるのが普通でしょう。そして、現在の急速充電器の性能でも休憩中に数百キロ分の充電が可能です。

 

ということで、テスラのバッテリー交換式EVはなぜ失敗したか。

答えは、充電すれば済むから。

 

電気自動車を所有していない人は、数分でフル充電できないと不便とか、一回の充電で500km以上走れないと困ると頭の中で想像していても、実際に電気自動車を所有している人たちは充電すれば済むと考えているようですね。

 

 

 

 

 

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