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サラリーマンがネットで見つけたネタに対する感想

原発の過去と未来はスターウォーズと全く同じストーリー展開である

原子力発電を続けるのかやめるのか。日本にとって大きなテーマですが、原子力の歴史を調べてみるとなんと過去から未来への出来事が、映画「スターウォーズ」のストーリーと完全に一致していることがわかります。

 

ここでは、原子力発電の歴史とスターウォーズのストーリーが持つ共通点を見てみます。

 

 

原爆の発明

原子力発電を語る上で切り離せないのは、原子爆弾の存在でしょう。

時は第二次世界大戦中の1939年。ドイツの科学者たちが核分裂の仕組みを解明したとの情報から、すぐにナチスがこの技術を兵器として使う可能性が指摘され始めます。

ドイツからアメリカに亡命していたアルバート・アインシュタインやイタリアから亡命していたエンリコ・フェルミなどの著名な物理学者は、ワシントンにこの状況の危険性を伝えますが当初の反応はイマイチでした。それでも最終的にルーズベルト大統領は、1941年にはアメリカの原爆開発計画「マンハッタンプロジェクト」を開始します。

そして1942年の末、ワシントンを説得したエンリコ・フェルミ自身が核分裂の制御に成功して原爆がいよいよ実現可能なものとなったため、アメリカはニューメキシコ州のロスアラモスに原爆の製造基地を建設。ロバート・オッペンハイマー博士を責任者にします。

その後1945年7月16日。ニューメキシコ州のトリニティ実験場で世界初の原爆実験は成功し、ここに原子爆弾が完成するのでした。

トリニティ実験場

砂漠にあるトリニティ実験場の衛星写真

 

 

兵器から平和利用へ

第二次世界大戦が終わると、原爆と核分裂の制御技術は発電に使うことが検討されます。

原爆の威力を知った世界の人々は、この技術が発電に使われれば最終的に電気は無料になり、工場や家、車などはすべて原子力でエネルギーを賄うようになると考えたのです。しかも、二酸化炭素を排出しません。まさに夢の技術です。

ところがすぐに原子力発電は技術的なハードルが高いことが分かり、結局民間の企業は石炭や石油、ガスを使った発電にとどまり続けます。原発最初期の1950年代には建設が始まった発電所のうち半分しか完成させられませんでした。

それでも、石油や石炭などエネルギーの輸入からなんとか解放されたい国々は原子力発電の可能性を信じ、また一部の国は核兵器の開発という目標と合わせて原子力発電の研究は続けられます。

 

その後、原発が一気に世界に広がったのは1970年代初頭にオイルショックが起こり石油価格が高騰したためでした。実際に現在世界にある原発の半分以上はこの1970年から1985年までに建設されているのです。

この頃作られた原発は軽水炉(Light Water Reactor)と呼ばれるタイプのものです。科学者たちにはあまり人気がない技術的にはかなり単純なものでしたが、このタイプの原発はこの頃にはすでに技術的に確立されていたため、軽水炉が選ばれるのは必然でした。

軽水炉

軽水炉

 

仕組みは単純で、核分裂により水を温めてできた蒸気でタービンを回して電気を作るというものです。原子力発電で最もよく使われるのはウラン235という物質の核分裂で、ウラン235に中性子を当てるとクリプトン92とバリウム141に分裂し大量の熱と中性子を放出します。その中性子がまた別のウラン235を核分裂させるというのを繰り返して熱を取り出す仕組みです。発生するエネルギーは凄まじく、えんぴつの反対側についている小さな消しゴムほどの大きさの核燃料が、貨物列車1両分の石炭と同じエネルギーを持っています。

 

ただし軽水炉は、考えられる原子力発電の仕組みの中でも決して効率がいいわけではなく、何より最も安全な方式とは言えませんでした。

 

 

<スターウォーズ>

このように原子力発電の発明は、アメリカが原爆実験を行ったニューメキシコ州の砂漠を起源としているわけですが、スターウォーズの始まりもニューメキシコの砂漠にそっくりな砂の惑星タトゥイーンです。

「スターウォーズ エミソード1」では、ジェダイマスターのクワイ・ガン・ジンが強大なフォースを備えたアナキン・スカイウォーカーを砂漠の街で発見します。将来フォースにバランスをもたらすとされたアナキンですが、同時にジェダイマスターのヨーダはアナキンを訓練することに危険性も感じていました。

まさに原子力発電の誕生とスターウォーズの始まりは、ほとんど同じ展開と言っていいでしょう。

 

 

 

夢のエネルギーが抱える矛盾

軽水炉の実用化により夢のエネルギー時代の幕開けに思えた原子力発電ですが、すぐに問題が発生します。

可能性が考えられる事故の中でも最悪な類のものが次々起きたのです。当初原発は何重にも安全装置があるから事故は絶対に起こらないとされていましたが、絶対などなかったのです。

 

 

アメリカのスリーマイル島原発での事故

1979年3月28日。冷却水を原子炉に供給するポンプが故障したため原子炉内の水圧と温度が上昇したところから事故は始まります。すぐに安全バルブが開き冷却水が外に流れ出し原子炉内の水圧が調整されました。ここまでは設計通りです。

ところが、水圧が正常に戻ったにもかかわらず、原発運転員が気付かないままバルブは開いた状態で2時間以上も放置されてしまいました。そのため、必要以上の冷却水が外に逃げてしまい原子炉内は冷却水不足となります。

さらに、制御室のコントロールパネルには安全バルブが閉じて必要以上の冷却水が注入されているとの表示がなされたためポンプが停止され、冷却水を失った原子炉内で核燃料の温度が上昇。最終的にメルトダウンが発生します。

その後冷却水が戻され間一髪で最悪の事態は回避されますが、少量の放射性物質が大気中に放出される結果となりました。

 

 

ソ連のウクライナにあったチェルノブイリ原発

1986年4月26日。定期検査に先立ってある試験が行われました。メイン電源が落ちた後に余力でタービンがどれくらい回る続けるかの確認試験です。それにより緊急用のディーゼル電源が作動する前に、冷却水供給ポンプをどれくらい長く動かせるか確認するためでした。

しかし、試験に入る前の原子炉の出力を絞る作業でミスをして出力が予定よりも大幅に低くなってしまったため、再度出力を上げるのにほとんどの制御棒が抜かれることとなります。

この状態で実験開始。ポンプが減速し始めて冷却水の供給が減ると原子炉の出力が急上昇します。すべての制御棒が挿入されますが、この原発の設計上制御棒の挿入は一度出力を上昇させてしまうという特徴があったため、出力はさらに上昇し原子炉は爆発してしまい原子力発電所の建物が破壊されます。

これにより、放射性物質がロシアからヨーロッパ諸国にかけて大量放出される事態となりました。

 

 

核兵器への流用

もともと国連の常任理事国である5カ国、ロシア、中国、アメリカ、イギリス、フランスが、核兵器の保有を公式に許されていました。ところが現在これらの国以外も、核兵器の開発を成功させたか極秘に保有しているとされます。インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエル、イランです。

これらの国も多くは、最初は原発を建設するところから原子力の技術を入手しています。

問題は原発で発電を行った後に出る核のゴミと言われる放射性廃棄物で、現在この核のゴミは地中深くに置いて無害化するまでの10万年間管理するか、核兵器に転用するしか使い道がありません。

 

 

<スターウォーズ>

将来を嘱望された原子力発電でしたが、事故や兵器への流用など持てるポテンシャルは人類を不幸にする側に働き始めました。

これはまさに「スターウォーズ エピソード2とエピソード3」で起こったことと同じです。アナキン・スカイウォーカーは、強大なフォースを制御しきれずにフォースの暗黒面にとりつかれてしまいジェダイの騎士たちを殺してしまうのです。そしてジェダイの騎士になるはずだったアナキンはシスの暗黒卿ダースベイダーとなり銀河は暗黒の時代に突入します。

夢のエネルギーと思われた原子力が一瞬で地球を滅ぼしかねない存在となったのは、スターウォーズにおけるダースベイダーの誕生と全く同じ展開です。

 

 

 

 

原子力発電の未来

原子力発電はピーク時に世界のエネルギーの18%を供給していましたが、今では10%程度にまで低下しています。老朽化した原発が廃炉されたり、ドイツのようにすべての原発を既に停止して原子力発電を行わないことを決めた国も出てきました。

しかし、原子力発電に将来がないとは言い切れません。

原子力発電には従来の核分裂を利用したものの他に核融合という現象を利用する方法も考えられます。

 

核融合は核分裂とは反対に物質と物質が衝突して一つの物質になる際に膨大なエネルギーを放出する現象で、核分裂よりも10倍多くのエネルギーを取り出せると考えられています。

ただし現在の技術では、核融合を起こすために必要な超高温の環境を作り出すのに膨大なエネルギーが必要なため、核融合を起こすのに必要なエネルギーの方が核融合で得られるエネルギーよりも多くなってしまうという問題があります。

現状を鑑みると核融合発電所が出来るまでにはあと数十年が必要でしょう。

 

そんな現段階では技術的に未熟な核融合発電に対する解決策が、太陽です。

太陽

地球には膨大なエネルギーが太陽から降り注いでいますが、その太陽のエネルギー源こそ核融合なのです。そして、人類はすでに核融合によって生まれた太陽から降り注ぐエネルギーを電気に変換する技術を持っています。ソーラーパネルです。

つまり見方によっては、ソーラー発電は核融合発電の一種と取れなくもありません。

 

 

 

<スターウォーズ>

スターウォーズでは、ダースベイダーの力によって帝国に支配された銀河の片隅で「エピソード4」から「エピソード5」にかけて新たなる希望が示されます。アナキン・スカイウォーカーの子、ルーク・スカイウォーカーです。

成長したルークは、オビワン・ケノービからジェダイの訓練を積むよう進言され、沼の惑星ダゴバでヨーダから訓練を受けます。そして、ダースベーダーに対抗できるジェダイの騎士が誕生するのです。

まさに、核分裂による発電が世界に暗い影を落とした後にソーラー発電という希望が現れたのと全く同じ展開です。

 

 

 

結末

では、原子力発電とソーラー発電は今後どうなっていくのでしょうか。

 

旧スターウォーズのクライマックスとなる「エピソード6」では、皇帝とダースベイダーが強力なジェダイの騎士となったルークに対して心理戦を仕掛けてダークサイドに入るように仕向けます。それを拒否したルークは皇帝によって抹殺されそうになりますが、ギリギリのところでダースベイダーは善の心を取り戻しジェダイの騎士アナキン・スカイウォーカーとして皇帝を倒して力尽きるのです。

 

つまり、今後世界の原発は全て廃止されて核兵器も無くなり、世界はソーラー発電にシフトするという事が暗示されているのです。果たして今後もこのままスターウォーズのストーリー通りに物事が進むのでしょうか。 

 

 

 

ちなみにスターウォーズは、銀河に平和が訪れた後の話が「エピソード7、8、9」として製作されています。

映画も世界のエネルギー問題のゆくへも、共にどんな結末になるのか注目です。

 

 

 

Reference;

PBS digital:https://youtu.be/6lbjxk1Lexs

vox:https://youtu.be/poPLSgbSO6k

In a Nutshell:https://youtu.be/rcOFV4y5z8c

U.S. History:http://www.ushistory.org/us/51f.asp

NEI:https://www.nei.org/Master-Document-Folder/Backgrounders/Fact-Sheets/The-TMI-2-Accident-Its-Impact-Its-Lessons

World Nuclear Association:http://www.world-nuclear.org/information-library/safety-and-security/safety-of-plants/appendices/chernobyl-accident-appendix-1-sequence-of-events.aspx