I found this

サラリーマンがネットで見つけたネタに対する感想

高くなったり安くなったり。飛行機のチケットの値段はどう決まるのか

インターネットが普及した昨今では、飛行機のチケットもインターネットを使って自分で購入する人が増えていると思います。そんな長期連休を前にインターネットで飛行機のチケットを手配しようとしている人たちにとってもどかしい問題は、いつチェックしてもチケットの値段が違うということでしょう。

前回見た時より1万円高くなっていたり、友人が言っていた値段より3万円も高かったり、とにかく調べるたびに変わる航空券の値段はいったいどのように決まっているのでしょうか。 

空港



 

航空券の値段の内訳

まず飛行機のチケットを買うときに支払うお金の中身ですが、航空会社の取り分になる航空代金の他にも税金、空港使用料が含まれていますし、燃料サーチャージや格安航空会社であるLCCを使うと機内食や座席指定料などを別途取られることもあります。

この中で税金や空港使用料は国や空港に対して支払うもので基本的に決まった額ですし、燃料サーチャージもジェット燃料の価格に応じて変わるもので毎日大幅に変わるようなものではありません。つまり航空会社の取り分であるチケットの値段が頻繁に変わっているということになります。

 

 

航空券の種類

では、なぜ航空会社に支払う費用はそんなに頻繁に変わるのでしょうか。

まず全ての始まりは、航空会社がどの飛行機をそのフライトに使うかを決定するところから始まります。航空会社は大きさの異なるいくつかの航空機を所有しているのが一般的で、機内のレイアウトは航空機によってあらかじめ決まっているため、これによりファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスなどそれぞれの座席数が決まります。当然、エコノミークラスが満席になってしまえばファーストクラスかビジネスクラスの席しか残っていないので、同じ便のチケットでも残っている一番安いチケットはビジネスクラスの値段ということになります。

ところが、エコノミークラスが売り切れると高いチケットしか残っていないなどという単純な話では全体像の半分も説明しきれていないのです。実は、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスなどそれぞれのクラスにはその中でまた異なるチケットの種類が設定されているのです。

例えば、便の変更が可能か、チケットの払い戻しが可能かといった各種の制限があったり、14日以上前にしか売っていないなど購入時期の制限などもあります。つまり、仮にエコノミークラスが飛行機に200席あったとしてもそのエコノミークラスの中でも例えば10種類の異なるチケットが設定されており、一つの種類のチケットは実は20枚しかないといった仕組みになっているのです。

 

複数のチケットがある理由

なぜ、航空会社はこんな複雑なチケットの仕組みを採用しているのでしょうか。答えは当然、会社の利益を最大化するためです。

航空機を利用する人は、大きく分けて二種類です。一方は旅行者で、もう一方はビジネス目的の出張者です。そして、旅行者は何ヶ月も前からチケットの購入を検討してある程度スケジュールを柔軟に変えられるのに対して、ビジネスの場合はもともとスケジュールの柔軟性が低く、場合によっては決まった日の決まった時間の便を利用しなければいけないことも珍しくありません。

また、旅行者はチケットの料金を自分で支払うため、フライトを調整してでも安いチケットを購入しようとします。それに対してビジネス客は、基本的に自分でチケットを買っているわけではなくスケジュールの方が重要なためチケットが多少割高でも問題にならないことが多いのです。

このように異なる二つの需要に応えるため、航空会社はフライトの何週間も前に売り出すチケットは安く、直前に売り出すチケットは高く設定するという戦略を取ることで、利益の最大化を図っているのです。出発日直前になっても座席が売れ残っている場合、航空会社はチケットの安売りをして空席を埋めようとすると考えている人も多いかもしれませんが、実際にはその逆で出発日に近づくとチケットの値段は高くなるのです。理由は前述の通りで、直前になって飛行機のチケットを買う人はビジネス客のような高いお金を払ってでもその便に乗らなければいけない理由のある人たちだからです。

では、事前に余裕を持ってスケジュールを決められる場合ビジネス客は観光客のように安くチケットが買えるのでしょうか。この点についても航空会社は少しでもチケットが高く売れるように工夫をしています。その一つがMinimum Stay Requirementです。安いチケットには航空券の発券条件に日曜日現地滞在必須などの条件を付けることで、ビジネス客にとって使いづらくしてもっと高いチケットを買わせるようにしているのです。

ビジネス客はフライトの曜日に対しても大きな影響を与えています。飛行機を使うビジネス客に最も多いパターンが週末を使わずに済む月曜日に出発し現地から木曜日か金曜日に戻ってくるというものです。そのため、最安値のチケットの中でもさらに最低の価格をつけるのは多くの場合ビジネス客が減る火曜日か水曜日発のフライトになるのです。

このように航空会社は非常に複雑なチケット料金システムを作り上げて、利益を最大化させているのです。お金を払えるビジネス客からは少しでも多くお金を取るようにして、値段に敏感な観光客には少しでも安いチケットを提供できるように調整する非常に優れた価格戦略と言えます。

 

 

他にも航空券の値段が変わる要因はあります。シーズンです。

長期連休などのホリデーシーズンには、単純に飛行機を利用したいと思う人の人数が増えるため需要と供給のバランスからチケットの値段が上がるということが起こります。また、チケットを買う側からするとホリデーシーズンではなかったとしても、世界のどこかの地域がホリデーシーズンのため旅行者が増える時期というのもありますので、注意が必要です。

 

ということで、皆さんもビジネス客の行動パターンと世界の観光客のホリデーシーズンを考慮に入れることで、少しでも安い航空券が購入できるようになるかもしれません。

 

 

 

 

 

Reference;

Flightfox:https://flightfox.com/tradecraft/how-do-airlines-set-prices

Wendover Productions:https://youtu.be/72hlr-E7KA0