ソニーホンダモビリティーAFEELA 考察 (ブランド名、デザイン、ロゴについて)
2023年1月にCESで発表されてから若干時間が経ってしまっており今更感がありますが、なぜか気になってきたので、ソニーカーことソニーホンダモビリティーのコンセプトカーAFEELAについて考察してみたいと思います。
ブランド発表
すでにソニーとホンダの合弁会社から高付加価値の電気自動車が発売されるという発表はされていましたが、2023年1月ラスベガスの見本市CESでソニーホンダモビリティーの水野会長から、初めて電気自動車のブランド名の発表がありました。その名もAFEELA(アフィーラ)。
このプロジェクトでテーマにしているAutonomy(自動化)とかAugumentation(拡張)といった英語の頭文字Aの間にFEELが挟まれてAFEELAという構成になっているそうですが、この名前、海外では非常に評判が悪いみたいです。変な名前だと。日本人的には特に変な名前という印象は持ちませんでしたが、どうでしょうか。ソニーのウォークマンというブランド名も当時のアメリカ支社から変な名前だと猛反対されたそうですが、その後大成功しているわけですから、まだなんとも判断はできないところかと思います。
ちなみに海外では、テスラとかニコラとかアンペアとか電気にまつわる科学者の名前をとったブランドもいくつか出てきていますが、日本だと歴史の教科書に出てくる平賀源内が電気で有名なので、思い切ってGENNAIとか日本をプッシュしたブランド名でも良かったかもしれません。
AFEELAがどのくらいブランド名として浸透するのか注目です。
デザイン
なお発表会当日は、プロトタイプ車両も登場し実際の開発が進んでいる様子もアピールしていました。2025年に実際に販売されるモデルそのものということではないそうですが、なんとこのプロトタイプ車両のエクステリアデザインに関してもネット上ではあまり評判が良くないようです。特に、以前ソニーが単独でパートナー企業と開発を進めていたVision-Sという車が非常に好評だったことが引き合いに出されてガッカリしている意見が多いようです。
確かにVision-Sはスポーティーで分かりやすいカッコ良さを持ったエクステリアデザインだったと思いますが、個人的にはAFEELAのプロトタイプは明らかに他がやっていないことをやろうとしているという点で評価できるかなと思っています。おそらくハードウェアとしては出来るだけ無個性で普遍的なデザインにして、ソフトウェアで個性を出すという方向性なのではないかと思います。テスラがインテリアを思いっきりシンプルにして、インパネ中央のタブレットみたいなディスプレイでいくらでも自由にHMIを変更できるように設計していますが、それと同じ考え方を車のエクステリアにまで拡張したという風に理解できます。あとから変更が効かないハードウェアは出来るだけシンプルにデザインして、車としての個性はデジタルな部分でソフトウェアを使って出していくと。
そういう意味では、メディアバーと呼ばれるディスプレイが従来のガソリン車のグリルに相当する位置についているのは注目点です。BMWのキドニーグリルに代表されるようにグリルはガソリン車時代には車のデザインアイコンとして重要な役割を負っていたわけですが、そこをディスプレイにしてしまってユーザーが好きなようにカスタマイズできるというのは、スマホのホームスクリーンを飼い犬の写真にするような感覚とも似ています。未来の車は自分にあった個性的なデザインの車を買うのではなく、メディアバーで自分を表現するのだという意味で従来から一歩パーソナルデバイスとしてユーザーに近づいた世界観を狙っているように思えます。AFEELAのオーナーがメディアバーを使って大喜利を繰り広げて周りのドライバーを笑かすとか、色々な社会現象(社会問題)も起こるかもしれません。いずれにしても、将来振り返った時に自動車デザインの流れを変えた車として歴史に名が残る可能性は十分にあると思います。
そしてもう一点気になるのは、ロゴです。
発表会では、AFEELAというブランド名は発表されましたが、ロゴは見当たりません。受注開始される2025年まで徐々に情報を小出しにする戦略なのか、もしくはGoogleとかSONYのように特定のロゴが存在しないブランドなのか。自動車ブランドとしてロゴが存在しないとしたらそれはそれで新しいですし、もしくはAの文字が動いてAFEELAを形作るモーショングラフィックは確認できるので、これがブランドのロゴに相当するものなのか。
ソニーといえばパソコンブランドのVAIOのロゴが、アナログ信号の波でVAとデジタル信号の1と0でIOを表現しており、それを組み合わせるとVAIOになるという、ものすごく頭良さそうなロゴとかを作ったりしているので、あとからAFEELAのロゴが出てくるならそれもそれで要注目です。
さて、自動車業界はアメリカのテスラとかリビアン、中国のNIOとかXpeng、ヨーロッパもアライバルなどなどEVスタートアップが盛り上がっているわけですが、AFEELAもソニーとホンダというビッグネームが背後にいるとはいえ日本から世界に注目されるEV専業メーカーが出てきたのは嬉しい限りです。
今後も情報を追いかけていきたいと思います。
ベンツ?プジョー?世界最古の自動車会社はどこか
世界で最初の自動車会社と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのはメルセデスベンツでしょう。
カールベンツがガソリンエンジンで動く自動車であるパテントモトルワーゲンを発明したのが今から100年以上前の1885年のことです。この会社が現在メルセデスベンツブランドで自動車を販売しているダイムラー社へとつながっており、確かに世界最古の自動車会社といえそうです。
ガソリンに限定しないとどうか
しかし、ベンツの発明はガソリンで動く車でした。世の中にはガソリン以外で動くクルマもあります。
最近だとバッテリーを充電して走る電気自動車や水素で動く燃料電池車が話題ですし、タクシーは古くから天然ガスで動くものもあります。また、ディーゼルエンジンで動くトラックやバスも忘れてはいけません。
このようにガソリン以外で動く自動車にまで範囲を広げるとどうでしょうか。
調べてみると、ベンツのさらに100年以上前である1769年にはフランスのNicolas-Joseph Cugnotという人物が蒸気機関で動く乗り物を発明している事がわかりました。世間ではこれを世界最古の自動車だとする意見があります。
YouTubeにレプリカが実際に走っている動画があります。
しかしこの機械は、蒸気機関を使って大砲を移動させる用途のために作られたものであり、我々がイメージする自動車とは少し違う発明だったと言っていいでしょう。これもって世界最古の自動車会社とするのは少し違う気がします。
さてその後アメリカではOliver Evansという人物が、同じく蒸気機関を使って動く乗り物を1805年に作っていますが、やはりこちらも土を掘る用途に向けて作られた機械であり自動車とは少し違うものでした。ちなみにEvansは最終的に人が乗って移動する装置を作ろうとしていたと言われており、これがもし実現していれば世界最古の自動車会社になっていた可能性もあります。
他には今でも自動車メーカーとして健在なフランスのプジョーを世界最古の自動車会社とする意見もあります。確かにプジョーの設立は1810年であり200年以上の歴史があります。しかし、プジョーはコーヒーミルや自転車などを製造していた会社がずっと後になってから自動車の生産にも参入したという例であり、自動車を作っていなかった期間を含めて会社が200年以上前に既にあったということで最古の自動車会社とするには無理があるように思います。
自動車専業の会社
では最初から自動車を製造するために作られた会社を調べてみましょう。
イギリスのRichard Trevithickという人物が1803年に作ったLondon Steam Carriageという会社が蒸気機関で動く馬車のような姿をした乗り物を製作し、これは今の自動車と同じ目的を果たす機械でした。実際に試験走行も行われて乗客を乗せて時速9マイルのスピードで10マイルの距離を走りきりました。まさに自動車の原型と言えそうな乗り物です。
しかし残念ながらこの車両は実験を行っただけで終わってしまい商業的には立ち上がりませんでした。今回は最初に実験した人物ではなく、最初の会社がどこなのか突き詰めていきましょう。
商業的な成功までたどり着いた例としては、Summers and Olgeという会社が1831年イギリス南部のタイタニックが出港した街として知られるサウサンプトンで製造した蒸気機関で動く自動車があります。この車両はその年に2台が製作され乗客を乗せた運行も始めました。翌年にはサウサンプトンから遠く離れたロンドンやバーミンガム、リバプールにも行くことができたといいます。
まさに世界最古の自動車会社かと思われましたが、彼らよりも先に成功した人がいたのです。
最古の自動車会社
世界最古の自動車会社は、イギリスで1825年に設立されたGurney Steam Carriage Companyという事になるでしょう。
会社設立の翌1826年に製作された蒸気機関で動く乗り物は6人が乗れる客室に加えて外にも15人が乗れる設計です。蒸気機関は12馬力があり車重は1.5トンにもなりました。日本の高度経済成長期に大衆車だったスバル360が16馬力でしたので、蒸気機関の性能は初期の大衆車レベルであったといえます。一方重量1.5トンは100馬力を超える現代のミニバン程度の重さであり、12馬力で動かすには相当な重さですが、重さも現代の自動車に近かったことが分かります。
他には現代の自動車と同じくブレーキとバックギアがあり、蒸気機関から生まれる熱を使って暖を取ることも可能でした。長さは20フィートつまり約6メートルです。トヨタの大型4WDのランドクルーザーが全長5メートルなので、現代の大型乗用車のような大きさだったことが分かります。
まさに人が移動するために設計された車両であり、機能や大きさなども現代の車に通じるものだったのです。
また、この車両はそのまま改良を続けられ1830年にはCharles Danceという人物が車両の購入契約を交わしました。これが世界で初めて自動車会社が顧客に対して車を販売した瞬間ということになります。
ちなみにDanceは、購入した蒸気自動車を使ってイギリスのロンドンとブライトンを結ぶ定期運行などを行いました。つまり現代のバス会社の様なビジネスを始めたわけです。
さて、現在の自動車産業は100年に一度の変革期と言われており、トヨタの豊田社長も生きるか死ぬかの瀬戸際と表現しています。実際に世界で最初の自動車会社は後から出てきた他のメーカーにとって代わられてしまい、その名前も誰も覚えてはいません。現在の日本には世界的な自動車メーカーがいくつもありますが、数十年後、これらのメーカーは果たして生き残っているでしょうか。
Reference;
Grace's guide:https://www.gracesguide.co.uk/Summers_and_Ogle
80対20の法則と5/25のルールを使って効率よく仕事を片付けるのはどうだろう
インターネットや読書で学んだ内容で、人生や仕事で役に立ちそうと思ったことを書き留めておいたメモが結構な量になっていることに気がつきました。
折角なので、改めてメモを読み返して思った事などをブログに残そうかと思います。
80対20の法則
今回は、10年以上前に始めたメモのかなり最初の方に出てくる80対20の法則について触れたいと思います。提唱者であるイタリアの経済学者の名前をとってパレートの法則ともいうようです。
よく分かりませんが、おそらく結構有名な法則でもう知っているという人も多いと思います。パレート自身がイタリアにおいて全体の80%もの土地がたった20%の人によって所有されているという事実をきっかけに色々調べてみると、実は他の様々な事も同じように80対20の比率になっている事に気がついたという内容です。例えば、お店の売り上げの80%はたった20%のお得意さんからもたらされるといった感じです。
もちろんこれはニュートン力学みたいに自然界がそうなっているという法則ではありませんから例外もたくさんありますが、この法則は普段の生活にも非常に有効だと思います。例えば何でもいいですが会社で何かの企画書をまとめる仕事を任されたとしてみましょう。法則によれば企画書の重要っぽいところから始めて20%の時間が経った時には既にその企画書は80%ぐらいの完成度になっているわけです。ではそこからさらに4倍の時間をかけて既に80%の完成度のものを100%に持っていく必要があるでしょうか。
まあ仕事ですからどうしてもそれが必要な場合もあるでしょうが、意外と会社の仕事は80%の完成度でOKになったりすることは多いものです。
それはなぜか。私なりの解釈は、会社全体もまた80対20の法則で回っているからだと思います。こんなことを言うと怒られそうですが極端な話、会社内にある80%の仕事は何がどうなろうと大勢にはそれほど影響はないのです。なぜなら全体の80%の量を占めているその仕事は全体の結果の20%にしか影響していないからです。その20%相当にしか当たらない仕事の完成度を80%から100%に持っていっても全体でいえば4%の結果にしかなりません。その時間を使って別の仕事4つを完成度0%から80%に持っていく方が賢明というものです。
もちろんクオリティが求められる場面はありますから何でもかんでも80%の完成度で止めてしまうのも問題ですが、抱えている仕事全てがそのような仕事だということはまずないでしょう。
5/25ルール
また似たような法則で伝説的投資家ウォーレン バフェット氏の5/25のルールというものもあります。
バフェット氏はある日、専属パイロットへのアドバイスとして人生で達成したいこと25個をリストにして、中でも特に重要な5個を選ぶように言います。バフェット氏のアドバイスはこのリストに上がった重要な5個はフォーカスするべき事、リストの6番目以下の内容は努力を最小限に抑えるべき事の一覧である、というものでした。
この5/25ルールも25個のうち5個、つまり全体の20%が本当に重要であり残り80%にまで本気で手を出すべきではないと言っています。
世の中には要領のいい人というのがいますが、そういった人たちはたとえ無意識だったとしてもこの原理に沿って仕事を処理しているのではないでしょうか。
これらの法則を知らなかったという方はぜひ活用してみるのはいかがでしょう。
なぜ海外のマンホールは蒸気が出ているのか
映画に出てくる海外のシーンで、街のマンホールから蒸気が出ているのを見たことはないでしょうか。日本でも東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロントエリアに湯気が出るマンホールがありますが、これも海外のマンホールを再現したものだそうです。
それにしても、この湯気はいったい何なんでしょうか。
日本であれば地面から湯気が出てくるのは温泉だったりしますが、例えばアメリカのニューヨークシティのマンホールから湯気が出ているのが温泉だとは考えづらいです。しかし、温泉のように暖かい水が地面の下を通っているというのは実は正解に近いのです。
スチームヒーティング
ニューヨークでは1880年代にニューヨークスチームカンパニーという会社が巨大なボイラーで蒸気を作り、それを地下のパイプを通して街に送るというビジネスを始めます。ちょうど、発電所で電気を作って電線を通して街に送ったり、浄水場から水道管で水を送るのと同じことを、蒸気でやったのです。
この蒸気は暖房の熱源として使われます。それ以前は、暖炉や石炭ストーブを使って暖をとるのが一般的でしたが蒸気を使った暖房という選択が可能になったのです。
この仕組みは特に鋼鉄やエレベータが発明されて高層ビルの建設が可能になるとさらに歓迎されました。
1930年代に建設が開始されたエンパイヤステートビルなどの高層ビルでは、仮に自前の暖房設備を作ってビル全体を暖めるようとすると、とてつもなく巨大な石炭ボイラーが必要になりビルの内部にそのような設備を置くのは現実的ではありませんでした。蒸気をどこか別の場所で作りパイプを通して送ってもらうことで、ビルの設計の自由度が確保されたのです。
こうして地下のパイプを通じて蒸気を送るシステムは歓迎され、今ではニューヨーク全体で全長100マイル(160km)もの長さになっているのです。
ところで、100年以上前に作られたこのパイプは今メンテナンスが問題になっています。
ニューヨークでは、雨漏りする場所にバケツを置くかのように、高温の蒸気が漏れる場所に煙突が立てられていることがあります。
ということで、なぜ海外の街ではマンホールから湯気が出ているのか。
それは、高温になっている地下の蒸気パイプに雨水が当たり水蒸気になったり、そもそもパイプから直接蒸気が漏れていたりするからなのです。
歴史を振り返ると、街には水道が通り、ガス、電気、電話、インターネット回線が張り巡らされるなど新しいインフラが次々に追加されていっています。最近は水素を社会インフラにするという話もありますので、次は水素の供給ラインが整備されるという事になるのでしょうか。マンホールの下の世界は今後もどんどん姿が変わっていきそうです。
Reference;
Cheddar news : https://cheddar.com/media/why-steam-pours-from-new-york-city-streets
Free tours by foot : https://freetoursbyfoot.com/steam-from-streets-in-new-york/
なぜ中年は不幸で年寄りは幸せなのか
関節痛、筋力低下、老眼、物忘れ。歳をとることは身体の衰えであり、ネガティブな事として捉えている人が多いのではないでしょうか。ティーンエイジャーは早く大人になりたいと思っているでしょうが、早く80歳になりたいとは思わないでしょう。アンチエイジングが巨大なビジネスになっているのも納得です。
歳をとることは人生の下り坂を転げ落ちることなのでしょうか。
人は歳をとることで確かに身体能力が徐々に衰えるとしても、心の方はどうでしょうか。歳をとることで心が衰えるなどということがあり得るでしょうか。
調べてみたところ、さまざまな研究によりどんなことで幸せを感じるかは年齢とともに変わることが分かっているようです。
モチベーションの変化
例えばYouGovが行った調査によれば、18-24歳の人たちは人生の目標だったりお金が自身のモチベーションであると答えた人の割合が、60歳以上の人たちに比べて2倍以上にもなるといいます。
人生の目標については若者の44%がモチベーションであると答えたのに対してお年寄りは21%しか該当しないといいます。またお金は同様に26%に対して9%、となっており若年層と老年層のモチベーションの源に大きな差が見て取れます。
また、周囲の人の情熱が自身のモチベーションになると答えた人も18-24歳の人たちが28%だったのに対して29-39歳は22%となり60歳以上になると15%と、こちらも年齢とともに徐々にモチベーションではなくなっていくことがわかります。
またこのように年齢と共にモチベーション要因から外れていくものもあれば、反対に影響がどんどん大きくなるものもあります。
例えば、恋人や夫婦などパートナーをモチベーションの源としてあげたのは8-24歳が25%だったのに対して60歳以上の人たちでは43%にものぼります。また、同じく家族がモチベーションだと答えた人の割合も同様に36%から46%へと上がっているのです。
このようにどんなことからモチベーションを得るかは年齢とともに変わっていくことが分かります、ではこれらモチベーション要因の変化は幸福にはどの様に関わってくるのでしょうか。
幸福度の変化
アメリカのNPOであるFamilies and Work Instituteの研究のよると、人々は35歳前後になると会社での競争や昇進のために仕事に全力で打ち込むといった野心が無くなり始めるといいます。 この他様々な研究が人生の幸せは18歳頃と82歳頃にピークとなり、その反対に46歳頃には人生で最も不幸な谷を迎えるという結果を発表しています。
この人生の幸せのピークが若年と老年にやってきて中年が不幸のどん底であるというアルファベットのUの字のような人生のパターンは、Uベンド(U-bend)と呼ばれています。
若い頃には将来の可能性が無限に広がっており特にこれといった責任も負っていませんから幸せを感じ易いでしょう。また老年になれば人生の経験から賢くなり他人の評価なども気にならなくなるでしょう。さらに子育ての責任などからも解放されます。これがUベンドの理由だといわれています。
別の研究では、幸福感だけではなく人々の心配も人生を通して同じようにUの字のパターンを辿るとされています。
20代を通して人々は心配事が一定ですが、30歳になったあたりから中年になるまで心配事がどんどん増え始めて、その後さらに歳をとると再び減少し始めるというのです。老年になれば一般的に若い頃よりも貯金や持ち家があるなど資産があるものですし、日常の小さな問題から人生の大きな問題まで対処の方法も知恵が働くものです。仮に不運なことがあっても若い頃よりは簡単に受け入れるようになっているでしょう。そのため一定の年齢を過ぎれば心配する事はどんどん減るのでしょう。
こうして考えると確かに人は年齢と共に身体能力は衰えるのかもしれませんが、さまざまな研究が幸せのピークはむしろ人生の後半にやって来ることを示唆しています。
今、自分の人生がどんどん不幸になっていると感じている20,30,40代の方は幸せのピークがこれからやって来ると思えれば、少しは人生に希望が持てるのではないでしょうか。
Reference;
YouGov:https://yougov.co.uk/news/2018/07/05/how-your-motivations-change-you-get-older/
The Atrantic:https://www.theatlantic.com/health/archive/2013/05/how-happiness-changes-with-age/
冤罪もある。指紋で個人を特定できる確率。
スマートフォンのアンロックや犯罪捜査など個人を特定するのに使われる指紋ですが、なぜ指紋で人が見分けられるのでしょうか。
過去に生きていた人、今生きている人、そして将来生まれる人まで含めて同じ指紋を持っている人はいないと考えられています。そして、人の指紋のパターンは母親のお腹の中にいる時から死ぬまで一生変わらないのです。そのため指紋とはその人だけが持っている身体的特徴で、指紋を見れば人違いが起こらないという理屈が成り立ちます。
しかし、本当に同じ指紋を持つ人はいないのでしょうか。
指紋はお腹の中にいるときに作られる
指紋は、胎児の時に指が形作られるのと一緒に現れます。
大きく分けて渦巻、輪、橋の形をした3つの基本パターンがあり、これらはDNAによって決まるため双子は指紋の基本パターンが同じになります。しかしDNAだけでは指紋の完全な形は決まらずに、その他の要素も指紋の形に影響します。
例えば胎児の時の血管や皮膚、指の成長スピードによって形が影響を受けますし、羊水の圧力や母親のお腹の中でどちらを向いていたかによって重力のかかり方が変わり指紋の形が変わるという研究結果さえあります。
このように、様々な影響が指紋の形に影響を与えるため、全く同じ形の指紋はまず形作られないというのが基本的な考え方です。
さらに細かく指紋を見てみると、線が途中で途切れていたり、分岐していたり、点になっていたり特徴的な場所が見つかります。
一般的にはこのような特徴的な場所は一つの指に約50箇所あります。しかも、この50箇所の特徴的な指紋は人によって指の上の違う位置にあるのです。
単純に50箇所が行き止まりか分岐になる組み合わせだけ考えても数学的に1000兆通り以上ありますし、さらに場所の違いを考慮するとその組み合わせは、2,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000通りにもなります。人間はこんなにたくさんいませんから、数学的に同じ指紋の人はいないという結論になります。
指紋が一致する確率は
さて、同じ指紋を持つ人はいないことが分かりました。それでも指紋を見て他人と間違える可能性は無いのでしょうか。
例えば顔の似ている芸能人の区別がつかないなんて話は日常茶飯事です。犯罪捜査で犯人を特定する際に、指紋の専門家でも判定を間違える可能性は無いのでしょうか。
実際、指紋判定に頼りすぎて犯人を誤認した事例というのは起こっています。
アメリカ合衆国オレゴン州の弁護士ブランドン・メイフィールド氏が、2004年にスペインのマドリッドで起きた列車爆破事件の犯人としてFBIに逮捕されましたが、のちに別人だったことがわかっています。爆破現場に残っていた指紋が、自身がイスラム教徒でもありタリバンに参加しようとした人物の弁護士をしたこともあるメイフィード氏の指紋と一致したというのがFBIの見解でしたが、彼はパスポートを持っておらずスペインに渡航するのは不可能でした。
しかし最も驚くべきなのは、メイフィールド氏が依頼した第三者による指紋鑑定でも現場の指紋とメイフィールド氏の指紋は一致するという判定が出たことです。FBIとメイフィールド氏にそれぞれ依頼された別の指紋鑑定士が同じ間違いをしたという事になります。
やはり、顔を見て人違いをするように指紋による人違いも起こり得るという事です。
さて、指紋判定の正確さを調査した研究によると、犯罪捜査に使われる指紋判定が間違える確率は0.1%とされています。犯罪現場に残った指紋と一致する指紋を持っていると判定される1000人のうち1人は全くの別人と間違えられているのです。
たとえ指紋が世界に一つその人だけのものだとしても、それを見る専門家やコンピュータソフトウェアなどが別人の指紋と勘違いする可能性があることは頭の中に入れておく必要があります。
Reference:
なぜ先進国は涼しい地域にあるのか
気温以外の要因
歴史的には立場は逆だった
寒い地域が有利なのは
なぜアメリカのパトカーはフォードばかりなのか
パトカーの歴史
パトカーのSUV化
世界的富豪ですら。なぜケチなお金持ちと気前のいいお金持ちがいるのか
不思議なものでお金持ちと言われる人たちには、気前よくチャリティーを行ったりして貧しい人に財産を分け与える人がいるかと思えば、そういったことを一切行わない人もいてケチなどと呼ばれたりしています。
大富豪
中富豪
小富豪
なぜ人間だけ歯磨きが必要なのか
食べている物が違う
動物が歯磨き不要な理由
イギリス対フランスの戦いだった? なぜ左側通行と右側通行の国があるのか
右ハンドルと左ハンドル
人々がまだ馬に乗って移動していた時代
幌馬車の影響
左側通行と右側通行
なぜWi-Fi ルーターには周波数が2つ用意してあるのか
WI-Fiの周波数
2つのWi-Fi周波数帯の違い
なぜヨーロッパには高層ビルが少ないのか
高層ビルが少ない理由
駐車場の探し方 目の前の駐車場に入るべきかもう一つ先まで行くべきか
コインパーキングを探す
駐車場内のスペース探し
車の修理内容トップ10 電気自動車は維持費が安いのか
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