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サラリーマンがネットで見つけたネタに対する感想

冤罪もある。指紋で個人を特定できる確率。

スマートフォンのアンロックや犯罪捜査など個人を特定するのに使われる指紋ですが、なぜ指紋で人が見分けられるのでしょうか。
過去に生きていた人、今生きている人、そして将来生まれる人まで含めて同じ指紋を持っている人はいないと考えられています。そして、人の指紋のパターンは母親のお腹の中にいる時から死ぬまで一生変わらないのです。そのため指紋とはその人だけが持っている身体的特徴で、指紋を見れば人違いが起こらないという理屈が成り立ちます。
しかし、本当に同じ指紋を持つ人はいないのでしょうか。

指紋判定


指紋はお腹の中にいるときに作られる

指紋は、胎児の時に指が形作られるのと一緒に現れます。
大きく分けて渦巻、輪、橋の形をした3つの基本パターンがあり、これらはDNAによって決まるため双子は指紋の基本パターンが同じになります。しかしDNAだけでは指紋の完全な形は決まらずに、その他の要素も指紋の形に影響します。
例えば胎児の時の血管や皮膚、指の成長スピードによって形が影響を受けますし、羊水の圧力や母親のお腹の中でどちらを向いていたかによって重力のかかり方が変わり指紋の形が変わるという研究結果さえあります。

指紋

このように、様々な影響が指紋の形に影響を与えるため、全く同じ形の指紋はまず形作られないというのが基本的な考え方です。

さらに細かく指紋を見てみると、線が途中で途切れていたり、分岐していたり、点になっていたり特徴的な場所が見つかります。
一般的にはこのような特徴的な場所は一つの指に約50箇所あります。しかも、この50箇所の特徴的な指紋は人によって指の上の違う位置にあるのです。
単純に50箇所が行き止まりか分岐になる組み合わせだけ考えても数学的に1000兆通り以上ありますし、さらに場所の違いを考慮するとその組み合わせは、2,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000通りにもなります。人間はこんなにたくさんいませんから、数学的に同じ指紋の人はいないという結論になります。

 

指紋が一致する確率は

さて、同じ指紋を持つ人はいないことが分かりました。それでも指紋を見て他人と間違える可能性は無いのでしょうか。
例えば顔の似ている芸能人の区別がつかないなんて話は日常茶飯事です。犯罪捜査で犯人を特定する際に、指紋の専門家でも判定を間違える可能性は無いのでしょうか。

実際、指紋判定に頼りすぎて犯人を誤認した事例というのは起こっています。
アメリカ合衆国オレゴン州の弁護士ブランドン・メイフィールド氏が、2004年にスペインのマドリッドで起きた列車爆破事件の犯人としてFBIに逮捕されましたが、のちに別人だったことがわかっています。爆破現場に残っていた指紋が、自身がイスラム教徒でもありタリバンに参加しようとした人物の弁護士をしたこともあるメイフィード氏の指紋と一致したというのがFBIの見解でしたが、彼はパスポートを持っておらずスペインに渡航するのは不可能でした。
しかし最も驚くべきなのは、メイフィールド氏が依頼した第三者による指紋鑑定でも現場の指紋とメイフィールド氏の指紋は一致するという判定が出たことです。FBIとメイフィールド氏にそれぞれ依頼された別の指紋鑑定士が同じ間違いをしたという事になります。

やはり、顔を見て人違いをするように指紋による人違いも起こり得るという事です。

 

 

さて、指紋判定の正確さを調査した研究によると、犯罪捜査に使われる指紋判定が間違える確率は0.1%とされています。犯罪現場に残った指紋と一致する指紋を持っていると判定される1000人のうち1人は全くの別人と間違えられているのです。

たとえ指紋が世界に一つその人だけのものだとしても、それを見る専門家やコンピュータソフトウェアなどが別人の指紋と勘違いする可能性があることは頭の中に入れておく必要があります。

 

 

 

 

 

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